駄文 : なぜジーンズは洗わないのだろうかと真剣に考えてみた
ジーンズの洗い方について
長年ジーンズマニアをやってきてこれだけは未だにしっくりこないというの
がある。ジーンズの洗い方だ。これに関してはもう『こだわり』という言葉
で一括りにするしかないと思っている。
ジーンズを洗わない理由としていくつかあるが…例えば、
知り合いのあるジーンズショップの店員さんは、
ジーンズ（糊付き）は１～２ヶ月履き込んでその後水洗いして、大体半年～
１年に１度水洗いをするという。自分もリジッドから履く場合は大体1～2ヶ
月は履き通して、その後水洗いをする。そうすることにより、糊が落ち自分
の体型にフィットしたジーンズに出来上がる。なので買う時は大体２インチ
くらい大きめを買う。ただ、それ以外のジーンズはその必要がない。まして
や、一度糊を落としてしまえば定期的に洗うほうが良い。
他にもジーンズ専用の洗剤を使ったり、蛍光洗剤を使う人もいる。自分も以
前はジーンズ専用の洗剤(ジェイウォッシャーを使用)を使用していた。が、
今では普通にアタックとかNANOXなどその辺に売っている洗濯洗剤で洗って
いる。以前なら、洗うときには裏返しにして水で手洗いをしていた。自分の
場合は脱水はかけず水分を含んだまま外に干すというやり方をしていた。実
際その方がシミがなく水分の重量により、下にジーンズが引っ張られること
で自然な形で引き伸ばすことが可能。逆に脱水をして乾燥機に入れるとジー
ンズ独特のアタリや線などが入り、良いエイジングを描くことが出来る。用
途に合わせてやっていた。ただ、前者は乾くまで時間がかかるのが難点。現
在は、全くそのような方法は行っていない。洗濯機に入れて脱水、乾燥まで
のフルコースだ。ジーンズ愛が消えたのかといえばそうではない。結局あま
り変わらないのだ。正直に言えば自己満足に近い。ジーンズを洗わないのも、
ジーンズを洗う時にコダワリを持つことも全て自己満足だ。
例えばジーンズ界の重鎮、林芳亨氏（DENIMの代表）はジーンズの洗い方に
ついて、こう述べている。
１週間に１回は洗う。何も気にせず洗濯機に入れてそのまま洗うと。その方
が良いエイジングが描けるという。
また、EVISUの山根氏は洗い方なんてない。汚くなったら洗う。それがマ
ナーだ。洗濯にああだこうだというのはジーンズじゃないと。
ジーンズ=洗わないモノとして定着したのはいつからだろう？
なんとなくだが、賛否両論はあるだろうが、ビンテージジーンズのブームが
起きた辺りからじゃないかと思う。特にキムタクや森田剛はビンテージを履
いていたし、何年も洗っていないとか言っていたような気がする。
確かにビンテージだとデッドストックのものだから当時作られたジーンズを
履いてそれを洗うというのは少し気がひけるかもしれない。
ジーンズを洗わないとどうなるか、そもそもジーンズは繊維なので汗を吸収
すると膨張をする。それにより繊維が汗を吸いきれなくなるとどうなるか。
破裂し破れる。折角の良いジーンズもそうやって台無しにしてしまっては元
も子もない。私の知り合いでビンテージジーンズをそうやって破ってしまっ
た人を知っている。何年も洗わない状態でジーンズを部屋に積み重ねておい
て、ある夏の暑い日に充分に汗を吸い込んだジーンズ同士がくっついた状態
になり、それを知らないでジーンズを取ったところ思い切り破れたそうだ。
しかも1本数十万もするビンテージデニムだ。彼はその日を境にジーンズを洗
うようになった。もちろん、洗うのが嫌だという人が一定するいるのは分かる。
自分も最長３年近く洗わなかったことがある。が、洗わないと、耐用年数が短
くなるし、はっきり言って臭いが周りへの迷惑にもなる。
水洗いで脱水、乾燥でも良い。
定期的なメンテナンスが正攻法だと思う。
