フィリピン留学、風俗、海外旅行、歴史、古神道、言霊学、都市伝説など。

【実話】ある知人から聞いた話。

【実話】ある知人から聞いた話。

※多少脚色しているところもあります。

 

私の知り合い(A)は新卒で入社した会社に研修として地方のスーパーに半年程勤務していたことがあったという。そこには本社から出向している彼と本社採用で勤続年数15年のベテラン社員の店長。その他パートの従業員が数名いた。
Aが勤務に慣れてきた頃にちょっとした事件が起きた。彼が出勤し、バックヤードに入って行くと何やら騒がしい。
歳のほどは40代くらいだろうか。スーツを着た男性が何やら剣幕に店長とスタッフを怒鳴りつけている。
よくあるクレームだなと思い、その場を通り過ぎ更衣室へ。戻ってきてもまだその男性はいる。
少し遅れて同じ時間に出勤の50代くらいのパートの男性が出勤してきた。
彼はAに何があったのか聞いてきた。が、Aも状況が把握できていなかったので答えることができなかった。そのパートの男性がクレームをしている男性を見るなり顔付きが変わっていった。(パートの男性をBさんにします)
Bさんはおもむろにクレームの男性(C)に近づいて行き、〇〇さん?と声を掛けた。
男性は一瞬びっくりした表情をしたが、すぐに誰か認識したようだった。
Bさんが、何があったのか知らないが、ここは私の顔に免じて事を収めてはもらえないだろうか。と言うと、Cは、さっきの剣幕さとは打って変わって冷静に一言。分かりました。と言ってその場を去って行った。
呆気にとられたのは、店長含め我々従業員だった。正直あの冴えないBさんにそんな大層なことができるのだろうかと。我々はBさんにあのクレーム男性とはどういう関係なのか聞いてみることにした。すると彼は恥ずかしそうな表情で、過去はあまり話したくないと言って売り場に行ってしまった。

後日我々は彼の過去について知ることとなる。
数日後、Cが再度店にやってきた。今度は店長に謝りたいと言う。何やら菓子折りらしきものまで持参してきていた。取り敢えず奥のバックヤードにある会議室に案内し、店長を呼んで来た。やはり店長もクレームの謝罪よりも彼とBさんとの関係が気になっていたらしく、思い切って聞いてみることにした。すると、彼から意外な言葉が返ってきた。Bさんは彼の元上司で昔ある重大なミスを庇ってくれたことがあったという。もしそれが公になれば何人、何十人という人が露頭に迷うか、自殺者が出るような大事になるような大事件だったそうだ。それをBさんが未然に防ぎ、自分のミスとして処理したそうだ。会社にはダメージは無かったものの、それがキッカケとなりBさんは左遷され早期退職の道を迫られ、そして現在に至るという。店長はおろか誰一人として彼の過去を知らなかった。面接をしたのは店長だが、Bさんは一身上の都合という一言で片付けていた。C曰く絶対に頭が上がらない。誤っても誤り尽くせないくらいの人だという。彼は何故Bがここにいるのか執拗に聞いてきた。が、店長含め誰も彼の過去を知らなかった為何も答えることはできなかったという。
後日、私の知り合いのAはBさんに彼の過去について聞いてみることにしたそうだが、一言だけ、昔の事です。としか言わなかったという。

 

友人曰く、誰にでも言えないような過去があるんだな。と。

 


今から3年くらい前に聞いた過去に傷を持つ男の話でした。