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白い巨塔をやるならきりひと讃歌をドラマ化して欲しい

 

白い巨塔をやるならきりひと讃歌をドラマ化して欲しい。


田宮二郎版の白い巨塔、そして唐沢寿明版。この2作は非常に完成度が高い作
品だと思う。
今回の岡田准一白い巨塔。正直いってつまらなかった。どこがどうという
のではなく、やはり超えられない壁はあるのだと。面白いのは面白い。それ
は原作がしっかりしているからであって役者の力ではない。
白い巨塔山崎豊子の作品であり、誰もが認知している有名な作品だ。実は
この作品、ある大学が舞台となっている。それは大阪大学医学部だ。そう、
かく言うあの漫画の神様手塚治虫氏の出身大学(厳密には大阪帝国大学附属医
学専門部)でもある。手塚氏の作品で「きりひと讃歌」というのがあるが、こ
れは白い巨塔の小説にインスパイアされたものだ。なので大学病院内での派閥
争いなどが描かれている。
手塚氏はこう述べている。

-権威とかキャリアという要素をぬきにしてはドラマがつくれないほど封建
的である-

と。ブラックジャックにも似たような回が幾つかある。「ホスピタル」では
大学病院の内部を上手く描いている。他にも「六等星」次期院長を誰にする
かで二人の候補が争っている真中病院。六等星のように目立たない椎竹医師
をB・Jが陰から力を貸す。「助っ人」病院内部の政治的駆け引きのせいで
メッケル憩室の手術をさせられることになったという。それは盲腸同様の簡
単な手術だから失敗などするはずもないものだ。しかし山田野は目がほとん
ど見えない。それを知ったB・Jは恩師のためにオペの助っ人を引き受ける。
という話。
ある作家がブラックジャックのあとがきで手塚治虫の作品は小説向きだと書
いてあった。それをあえて漫画という媒体に変換して誰でもわかるようにし
ているのだと。これに関しては同意する。小説向きの作品が多いと思う。奇
子、アドルフに告ぐ火の鳥、ルードウィヒB(未完)、ネオファウスト(未完)、
どついたれ(未完)、グリンゴ(未完)、IL、上を下へのジレッタ、上げるとキリ
がない。ということはどの媒体にも適用可能だということだ。あとは手塚治
虫という天才に見合った天才が今いるかだ。表面をなぞることは出来るだろ
う。ただ本質まで描くのは難しいと思う。


現役時代キューブリックから仕事の依頼が来るほどの能力を持った人だった。
多忙で断っているが。因みに仕事の依頼は2001年宇宙の旅美術監督
現代でもし彼の作品を映像化するのであれば、クリストファー・ノーラン
クリント・イーストウッド北野武などが相応しいだろう。

白い巨塔忠臣蔵みたいに毎年作られるようになるんだろうか。